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きもの鑑定室
縫い締め
鑑定依頼
(横浜市 MT様)
母から譲り受けた着物です。母は確か「縫い締め」の着物と言って大事にしていました。産地とか、どの様にして作るのか教えて下さい。
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鑑定結果
これは、名前を付けるなら、「杢目(もくめ)縫締(ぬいしめ)絞り(しぼり)」となります。
縫締絞りとは、生地に木綿糸で粗く縫い糸を入れ、生地に皺を作り、皺の上を染め上げた、古くからある絞りの技法の一つで、浴衣に良く見られます。

絞りの柄が杢目出表現されている事が不思議な所ですね。縫い目の間隔によって皺の大きさが変わります。この違いで柄ができるのですが、1ミリ以下の間隔の差を手で縫うことは至難です。

紋織の機械を使って縫い目の差を出そうと考えたのが、十日町の関源織物さんで試行錯誤の末、完成させたのがこの杢目縫締絞りなのです。

絹織物を織るときに約5ミリ毎に木綿糸を織り込みます。紋紙で寸分の狂いなく織り上げた生地の木綿糸を枠に結び両手で絹生地に皺を寄せます。37pの生地が3cmの巾迄縮められます。その表面を染め、糸を抜き仕上げます。

精密な機械と人手、人の知恵による作品であり、製法特許品でしたが、肝心の機屋が消え去り幻の名品となってしまいました。そんな意味でも、是非、大事にお召しになって下さい。
(加藤)